無申告の美容師・スタイリストさん必見!無申告のリスクとその対策とは?

ここ数年で面貸しヘアサロンが激増した影響で、業務委託型で働く美容師さんが多くなってきました。

社員美容師として会社に所属していれば、会社が年末調整を行ってくれるので、基本的に一定の書類に必要事項を記載して会社に提出すればそれだけで問題なかったのですが、業務委託型の美容師さんはあくまでも個人事業主なので確定申告が必要となってきてしまいます。

しかしながら、数年無申告のままだけど特に税務署から問い合わせなんて来てないよ!という方もまだまだ割と多くいらっしゃると思います。もし確定申告しないまま放置し続けていたら最終的にどのようなことになるのでしょうか

この記事では、無申告のデメリットについて、詳しく解説します。

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無申告が発覚するきっかけ

いきなり税務署からお尋ねがきてびっくりしてしまう方が多いようですが、どのようなきっかけで無申告が発覚するかご存知でしょうか?

実は皆さんがお仕事されている面貸しサロンの運営会社に税務調査が入ることがあります。このことは、サロンの運営会社が正しい税務申告をしていても普通に行われることです。

ただ、このサロンの運営会社の税務調査の中で、サロンにおいて業務委託で働く美容師さんの確定申告状況もあわせて調査されることがあります。このため、業務委託で働いてる美容師・スタイリストの収入状況と申告状況を税務署は比較することができるようになり、結果として、美容師・スタイリストが無申告となっていることが発覚するというケースがほとんどです。

ヘアサロンの運営会社に税務調査があれば、業務委託の美容師・スタイリストの方々が無申告であるかどうかがすぐに税務署にわかってしまいますので、無申告の方で、まだ税務署からお尋ねが来ていない方も、今はたまたま来てないだけと思った方が良さそうです。

無申告がバレてしまったら?

では、無申告がバレてしまった場合はどうなるのでしょう?

通常は税務署から連絡がきて、税務調査が行われ、過去数年分の収入・必要経費の内容を事細かに確認された上で、税務署が納得した金額で申告を行うことが求められます。収入はサロンに問い合わせれば分かるけど、過去の分の領収書は捨ててしまっているから正確な経費の金額は分からないという方も多いと思いますが、そのような場合は推計課税といって税務署が過去の事例等を参照して経費の金額を決めてしまうことがあります。

推計課税が行われた場合、納税者側である美容師・スタイリストにとって不利な金額になることが多いため、領収書を捨てるのは絶対にやめましょう。

無申告のペナルティ

税務署の指摘通り申告を済ませたら、申告内容に応じた税金を支払って終了、、、という訳ではありません。無申告の場合には以下のペナルティが課されます。

無申告加算税

無申告加算税は納付すべき税額に対して、50万円まで15%でそれを超えた金額の部分については、20%の税金がかかってきます。つまり本来200万円の税金を払っていなければいけなかった場合には、50万円×15%+150万円×20%=37.5万円の無申告加算税が課されてしまいます。200万円の税金に加えて、37.5万円を追加で払うことになるので、合計で237.5万円を支払う必要があります。

ただし、こちらは税務調査が行われた後に申告したケースで、自ら申告を行った場合には一律5%で計算することになるので、上記のケースに当てはめすると200万円×5%=10万円の無申告加算税で済むことになります。

延滞税

確定申告の期限内に申告・納税を行っていない場合には延滞税が課されます。納期限から2ヵ月以内であれば、延滞税率は年利2.6%(※)で済みますが、2ヵ月を経過した以後は8.9%(※)が適用されるため、無申告のまま放置する期間が長ければ長いほどダメージが大きいペナルティといえますね。

(※)平成30年1月1日から令和元年12月31日までの期間を前提とした年利率

刑事罰

申告義務があると分かっていながら申告を行っていない場合で、悪質性が高いとみなされた場合には、ほ脱犯として「5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、または、その両方」が課されることもあります。周りの業務委託型の美容師さんが皆さん申告をされているのを知っているとなれば、ご自身についても申告義務があるのを当然分かっていただろうと推測される可能性が非常に高いですから、こちらも注意が必要です。

実生活上の不便

ここまでは、我々が税理士としての立場で、税務におけるペナルティを説明してきましたが、実際にはそれ以外の普段の生活の部分においてもデメリットがあります。

税務調査に時間がかかればかかるほど、税務署に対応する時間が増えます。また、税務署に対応するために用意するものも増えます。

美容師・スタイリストとして普段働いている時間に対応しなくていけないということも多く、売上が落ちる可能性が高いです。

また、慣れないことに対応しなくてはならず、お金をいくら支払ないといけないのかといった不安も発生することから、ストレスを感じやすくなります。

まとめ

無申告のまま放置し続けることがどんなに危険な行為かお分かりになりましたでしょうか?

無申告加算税に放置期間の長さに比例して増え続ける延滞税を支払わなくてはならないため、トータルの税額は本来の申告税額のほぼ倍近くになってしまうこともあります。

そして最悪の場合には刑事罰も受ける可能性もあるとなれば、バレるリスクも高い上にペナルティがめちゃくちゃ厳しい無申告を続けるメリットは何もないことは明らかです。

過去無申告であった方につきましては、一刻も早く申告・納税を行うことをおすすめいたします。

税理士法人ユナイテッドでは、過去無申告だった方からのご相談を多数承っております。

税務調査が来る前にきちんと申告を行い納税さえ済ませてしまえば、税務署側として特に無申告であった理由等の問い合わせを皆さんに行うことなく対応してもらえることがほとんどです。

また、万が一税務調査が来たという場合でも、税務調査対応の経験豊富な税理士が立ち合いを行うため、税務署側の主張を一方的に受け入れることなく、適切な交渉を行うことで納税額を極力減らすことが可能でございます。

お一人で悩まずに、まずはお気軽にお問合せ・ご相談下さいませ。

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